震源地に近いほど緊急地震速報が間に合わない理由は?地震とは一体どんなモノなのか理解していますか?
日本は地震大国といわれており、1年間に千回以上の地震が発生しており、世界の地震の2割が日本の周辺で起きていることがわかっています。
だから1日1回は、日本のどこかで地震が起きているといわれ、時には大きな災害も起きることがあります。
そして日本は地震大国なので、大きな地震が起きた場合に危険を知らせるための緊急地震速報が存在しています。
自分の身を守るためにも、地震や緊急地震速報について理解しておいてはいかがでしょう。
○地震には2つの揺れが存在している!?
皆さんは、地震に小さな揺れの「初期微動(P波)」と大きな揺れの「主要動(S波)」が存在しているのを知っているでしょうか?
一般的に地震といわれた場合は、主要動のこといい、初期微動は揺れが非常に小さく、主要動と重なっていることもあるので、感じることができない場合も多いです。
しかし、初期微動は緊急地震速報を出す上で非常に大切な物となっています。
主要動と初期微動は、震源地から同時に発生するのですが、主要動よりも初期微動の方が速く広がるという性質を持っています。
そのため、震源地の近くでは、初期微動と主要動は、ほぼ同時に伝わるので同時に揺れがきますが、遠くになるほど初期微動が来てから主要動が来るまでの時間に差がでることになります。
この性質から初期微動が起きた時に緊急地震速報を鳴らすことで、私たちは主要動に備えることができるのです。
ただし、震源地に近い場合は、主要動と初期微動がほぼ同時にやってくるので、緊急地震速報が間に合いません。
これが、震源地に近いほど緊急地震速報が間に合わない理由になります。
しかし主要動よりも早く緊急地震速報が流れる地域では、身構えることができますので、緊急地震速報は役に立っているシステムになります。
緊急地震速報が鳴って1秒で地震が来ることもあれば、数十秒で地震が来ることもあります。
なので、緊急地震速報が鳴ったら、まずは自分の身を守ることに専念しましょう!
○マグニチュードと震度の違いは一体なに?
地震のニュースを目にするとマグニチュードと震度という二つの数値を見ることがありますが、この二つの違いを理解しているでしょうか?
マグニチュードは、地震の規模のことで、震度は、その地点での揺れの大きさを表しています。
マグニチュードは、地震のエネルギー量を表し、マグニチュードが高いほど震度が高くなりやすく、地震が広範囲に広がるので災害も大きくなるといわれています。
対して震度は、その場所でどのぐらい揺れているかを表しているもので、地震の規模を表す値ではありません。
マグニチュードは、地震の揺れの大きさを表しているわけではないので、マグニチュードが同じでも中心地の震度が違うことも良くあります。
また、マグニチュードが大きくても震源地から遠くになれば、地震の揺れは小さくなります。
○震度によって人間が感じる揺れの違いは?
震度はどのぐらい揺れているか表す値で、数字が大きいほど大きく揺れていることを表しており、10階級あります。
震度0 人は揺れを感じることができないが地震計は感知できる地震。
震度1 揺れを感じる人がいるが、ほとんどの人が気づかない地震。
震度2 止まっていれば地震を感じることができるが、歩くと感じることができない地震。
震度3 少しだけ強いと感じる程度の揺れ、人によっては恐怖感を覚えることもある。
なので、震度0~3までは、ほぼ危険性が無い地震になります。
震度4 眠っている人が目を覚ますほどの揺れで、恐怖感を覚えますが、危険性はあまり無い地震。
震度5弱 食器などが割れたり、固定されていない不安定の物が倒れる程度の地震。
震度5強 普通に立つことが難しく、物が頭に落ちてくる可能性がある地震。
震度4~5までは、そこまでの危険性は無いが、怪我などをしないように注意する必要があります。
そして、震度5を超えると危ないので、身の安全を確保するようにしましょう!
震度6弱 固定されていない家具が倒れる危険性があり危険なので、家具の周りに近づかず身を守ることが大切。
震度6強 家具の倒れる量が多くなり、立つことが出来ないので、しゃがんで落下物から体を守る必要性がある。
震度7 揺れが強すぎて家具が飛ぶこともある、かなり危険な状態になる
震度6以上になれば家具が倒れますし、建物が倒壊する危険性もあるので、命を守る行動をとる必要性があります。
もしもの地震のために家具を固定することをおすすめします。
このように震度によって状況が多く変わります、どんなに強い地震が起きても冷静に判断して、自分自身を守ることが大切になってきます。
○マグニチュードと地震の規模を理解しておこう
マグニチュードは、一般的に「M」で表され、の数値が高いほど地震の規模が大きいことがわかると思いますが、数字が1違うと地震の規模は全く違います。
M3.0とM4.0は1の違いですが、1違うと規模は約32倍の差があります。
そのため、M3.0とM5.0では、32倍×32倍で約1000倍の差になります。
ちなみに、数値が0.2あがるごとに規模が約2倍されることになります。
そのため、マグニチュードが1違うというのは地震の規模が大きく違うと考えてよいのです。
ただし、地震は地中なので、マグニチュードを正確に測りだすことが難しく、誤差があるとされています。
ちなみに、地球で想定されている最大の地震のマグニチュード10とされ、かなりの大きな地震になり大きな被害がでることになります。
○プレート境界型地震と活断層型地震
日本で起きる可能性がある地震は、プレートがずれることによって起きる地震と活断層によって起きる地震、火山噴火による地震になります。
私たちが日常的に経験する可能性があるのは、活断層がずれることによって起きる地震で大きな物になるとマグニチュードが7を超え大きな被害になります。
プレート境界型地震と比べると、活断層型は被害が小さい傾向にあります。
プレート境界型地震は、地球を覆っているプレートと呼ばれる殻のようなものが動くことによって起きる地震です。
マグニチュードは、活断層型よりも大きくなる傾向があり、海で起きることも多いので、津波の被害にあうこともあります。
2011年に発生した東日本大震災が、このプレート境界型地震になります。
この時のマグニチュードの規模は、M9.0であり、活断層型地震で想定されるM7.0の約1000倍のエネルギーを持っていた事になります。
日本は地震大国ですので、地震に対する知識をある程度、身につけておくことも大切だと思いますよ。