鋼鉄よりも硬いのに鋼鉄よりも軽い繊維は「クモの糸」!クモの糸はとてもすごい繊維?!
クモの糸といえば、家の壁に張り付いていたり、小道に歩いているときに顔にくっついたりして鬱陶しいと思うことが多いですが、クモの糸はとてもすごい繊維なのです!!
クモの糸は鋼鉄よりも硬く、鋼鉄よりも軽い繊維といわれており、とても強靭な繊維になります。
クモの糸はどれほどすごい繊維なのでしょうか?
○クモの糸のどんなところがすごいのか?
人間が力を加えればクモの糸は簡単に切れてしまいますが、これはクモの糸が細いからであり、細さのわりに非常に硬いことがわかっており、同じ細さの鋼鉄よりも5倍も強度が高いことがわかっています。
また、鋼鉄と同じ強度の繊維で重さが6分の1なので、非常に軽いのに強いですし、ナイロンの2倍も伸縮して柔軟性もクモの糸は他の繊維よりも高くなっています。
その強さから、鉛筆の太さのクモの糸で500mの巣を作れば離陸する飛行機を止めることができるといわれています。
ちょっと例えが分かりづらいと思いますが、それぐらいすごいということです。
さらにクモの糸は熱に強く、300度の熱まで耐えることができるといわれています。
ちなみにクモは巣をつくる際には、場所によって糸性質を変えており、虫がくっつく糸と自分が歩くための足場でくっつくことが無い糸など使い分けています。
クモの糸ですが、かなりの強度があって、柔軟性も強いのでいろいろな物に使用することができます。
○クモから採取するのは難しい!?
そんな強靭で伸縮性も高く軽いクモの糸ですが、クモを飼育してクモの糸を量産するのは難しいとされています。
これは、クモが糸をずっと作り続けるわけではないことやクモが共食いをしてしまう性質があるためになります。
そのため、クモから糸を採取し続けるのは難しくなっています。
さらに、クモの糸はすべて同じ繊維ではなく場所によって強度や柔軟性を使いわけていますし、クモの種類によっても糸の強靭さなどに変化が出るためクモから採取して利用するのは難しいのです。
現在では、自然から取れないので、人工的に作ったクモの糸を量産することが考えられており、人工的なクモの糸の生成に成功しています。
これから、人工クモの糸を使った製品が多く発売されるかもしれませんね
○人工クモの糸とはどういった物なの?
人工クモの糸は、クモの糸を研究して、人工的に作ったクモの糸と同様の繊維のことです。
なんと、ほとんどクモの糸と変わらない製品がすでに完成しています。
軽くて丈夫、動きを邪魔しない特徴があり、アウトド用品として使用するのが良いとされていますが、他にも様々な使い道があるでしょう。
クモの糸は、動物由来の物なので、タンパク質によって合成されており、人工クモの糸もタンパク質によってつくられている繊維になります。
これは、動物性繊維と同じ物で、人工的に作られた繊維ではありますが、石油でできているナイロンやポリエステルとは違う物になります。
逆にウールやシルクに近いと考える方が適切だと思います。
化学繊維はダメだという人も多くいますが、クモの糸は一般的な化学繊維とは違うものと考えておくと良いでしょう。
人によっては、なんらかの肌トラブルが出るかもしれませんので、使用して肌トラブルがある場合は使用を控えるようにしましょう。
○人工クモの糸は意外にも地球にやさしい繊維でもある
化学繊維の代表といえば、ポリエステルやナイロン、アクリルなどが有名ですが、これらは石油を原料に作られた繊維になります。
石油を使用すると温室効果ガスが発生して、地球温暖化が進みあまり地球にとっては良くないことになります。
つまり、化学繊維を増やせば地球環境が悪化することになります。
さらに、製造した服が燃やされても有害物質が発生しやすいので、あまり地球環境に良くない繊維になります。
しかし、人工クモの糸は、タンパク質由来なので、石油を使用する必要性はなく燃やしても有害物質は発生しにくいのです。
つまり、人工クモの糸が増えれば地球環境に少し良い影響があると予想されます。
このようにクモの糸は地球を救ってくれる繊維でもあるのです。
人工クモの糸のこれからの活躍に注目です。