日本では昔から栽培されてきた麻!麻は戦前までは主要農作物として盛んに栽培されていた植物。
麻といわれて最初に思いつくものといわれたら、違法薬物である大麻(たいま)(マリファナ)かもしれませんが、戦前は日本で多くの麻が栽培されており、いろいろなところで活用されてきました。
現在、麻を栽培するためには許可書が必要であり、許可書なく栽培していれば、違法になるので警察に捕まることになります。
悪いイメージが強い麻ですが、非常に使い勝手の良い植物です。麻とは一体どういった植物なのでしょうか?
○日本は元から麻を栽培しており日本の麻に危険性はない?
麻に悪いイメージがついているのは、麻の草や花に含まれるテトラヒドロカンナビノールに陶酔作用があり、薬物に指定されているためになります。
このテトラヒドロカンナビノールは、麻の種類によって含有量に違いあり、日本で栽培されていたものや、自生していたものは、テトラヒドロカンナビノールが0ではありませんが非常に少なく麻薬として使用できるものではありませんでした。
つまり、日本の麻にはほとんど危険性がなく、現在少なからず栽培されている麻も薬物として使用できるようなものではありません。
そのため、栽培されていた麻は薬物として使用したのではなく、食料品や繊維として使用していました。
現在でも麻を使用した服を見かけますが、丈夫で風通しがよく夏の服などに使用されていますね。
○麻はどのようなところで使用されているのか?
あたり前ですが、日本では麻を薬物として使用していませんし、薬物として使用できるような麻を製造もしていません。
麻は繊維としての使用頻度が高く、繊維のために麻を製造していることが多いのです。
種は食品として使用することができ、七味唐辛子の中にいられていますし、潰して油に使用することもあります。
ただし、日本では製造に許可が必要であるため大量に生産することができず、服の繊維が日本産の麻であるのは少ないとされています。
また、食品の100%が輸入品とされ、日本で作られている麻の種を食べる機会はほとんどありません。
日本では麻を大量に生産していないので、麻の種は入手しにくく、販売前に必ず加工しないといけないためです。
○麻の繊維はヘンプとして記載されることが多い
本来、日本で使用されてきた麻の繊維は、大麻(おおあさ)と呼ばれるものでした。
しかし、麻薬取締法により、あまり栽培されなくなり、亜麻や苧麻といった大麻に近い繊維が使用されることが多くなっていました。
そのため現在、麻と表記されている繊維は本来の大麻ではなく、亜麻と苧麻になります。
本来、麻と表記される大麻は指定外繊維という分類なります。
また、繊維を大麻と表記としても良いのですが、あまりにもイメージが悪いので、ヘンプと表記されることが多く、ヘンプと書かれているものが本来の大麻を使った物になります。
ただし、あまり流通しておらず、麻といえば亜麻や苧麻を使った物が服になっているのが現状であり、私もヘンプ繊維を普通に売っているお店はネットでしか見たことがありません。
日本で昔から使用されてきた麻繊維を着用してみたい人は、ヘンプを使用したものを探してみましょう。
現在では、日本の昔の文化が見直されてきているので、大麻を使った繊維が多く出まわるようになる可能性も十分にあります。
麻は風通しがよいので夏の着用におすすめな繊維です。
日本は麻の栽培に適した気候で、栽培は比較的簡単ですが、栽培の認可を取ることが大変なので栽培が増えるかどうかは実際のところわかりません。
ただ、昔から作られてきたものなので、古き良き日本を感じるためにも、日本製の麻を使った物が増えることに期待したいと、個人的には思っています。
○麻が山の中に普通に自生していることもある
日本の環境の麻が非常に育ちやすい環境であり、どこの県であっても麻を育てることが可能とされています。
また、麻自体が元から自生している植物であるため、いろいろな山に生えており、すべて駆除するのは不可能となっています。
街中で見かけるようなことはありませんが、山の中に入ると自生していることもあるといわれています。
麻はテトラヒドロカンナビノールの量に関係なく栽培が禁止されており、栽培した場合は国の法律によって捕まってしまいます。
山にたまたま麻が生えている場合は、全く関係なく自分の家の山であっても栽培しているのでなければ捕まりません。
ただし、麻だと知っていて山から麻を採取して自分の家に植えると、栽培したことになるので、捕まることになります。
危険な植物とみられがちですが、麻薬として使用されるのは一部であり、麻は非常に使いがっての良い植物です。
麻の魅力について知っておきましょう。