国会に衆議院と参議院の2つがある理由っていったい何?どんな違いがあるのでしょうか?
日本の国会には、衆議院と参議院の二院で構成されていますが、なぜ2つに分かれているかわからないという人もいるのではないでしょうか?
同じ議員数を集めるなら、単純に1つにまとめてしまった方が分かりやすいと思ってしまいます。
しかし、2つの議員で構成されている理由がきちんとあるらしいのです。
衆議院と参議院が分かれている理由は何のためなのでしょう?!
○両院制は多くの国で行われている!
衆議院と参議院のように、国会を2つの院に分けて行うものを両院制(二院制)といい、先進国で行っていることが多い仕組みです。
二つに分けられる理由は、議題を1つの場所で話し合わずに、2つに分けて違う角度から見て慎重に決めるためです。
1つしかなければ、決まったものがすぐにそのまま通り、改めて話し合うこともできません。
だから、一院制の場合、独裁的になってしまうこともあります。
また、一院制の場合、議員の解散が行われると、一時的に議員が全員いない状態になってしまうことも問題となります。
両院制は、一院制のデメリットを補うために行われているのです。
一院制にもメリットはあり、早期に判断・決断できることや、1つなので、経費を削減することができます。
日本は大きな国ですから、衆議院と参議院を設けて慎重に判断しているのです。
適当に2つに分けているわけではなかったですね。両院制にはきちんとした意味があったわけです。
○衆議院と参議院には一体どんな違いがあるの?
衆議院と参議院の違いが判らないという人もいるかもしれませんが、衆議院と参議院には少し違いがあります。
一般的に力が強いと言われているのが、衆議院で法律の議決、予算の議決、条約承認は先に衆議院が判断してから参議院で行われます。
また、内閣総理大臣も衆議院議員がなり、内閣不信任決議も衆議院のみ行えます。
内閣総理大臣は、法律的には参議院がなってもいいのですが、今まで参議院議員がなったことはありません。
さらに、任期にも違いがあり、衆議院は4年、参議院は6年となり、参議院は解散することがないため、6年間ずっと続けることができますが、衆議院は解散することがあるので、4年の任期ですが、平均2年半ほどで選挙が行われます。
そのため、入れ替わりは、衆議院の方が早くなります。
そして参議院は3年ごとに半分ずつ入れ替わります。
このように、衆議院と参議院には、少し違いがあるのです。
○世論の影響は衆議院に出やすい!?
私のたちの意見はどちらかというと、衆議院の方に出やすいといわれています。
参議院は1度決めると6年間は、同じ人が議員を続けますので、世論の影響力は少なくなってしまいます。
対して、衆議院は平均2年半で解散して、選挙で選ばれるので、世論の支持によって議員が決まり、世論は衆議院に出やすいとされているのです。
そのため、世論の影響が強く、力がある衆議院の方が、選挙でも注目されています。
世論の影響が出やすい、衆議院ではありますが、平均2年半は変わらないので、世論と少しばかりずれてしまうこともあります。
しかし、1年で交代なんかしていると、多額の選挙費用が掛かりますし、議論が一向に進みませんから、2年半で交代するのが、ちょうど良いのかもしれません。
うまくいっていれば、解散されずに4年続くことになります。
○参議院は慎重になる?
参議院の任期は6年で、3年ごとに半分ずつ交代する制度になっています。
任期が6年と長いので、衆議院と比べると私たちの影響は少なく、半分ずつの交代になりますので、その時の世論の影響は、参議院の半分でしかありません。
残りの半分は、3年前に世論の影響を受けた人達であり、少し違った傾向を持った議員が当選しているかもしれません。
結果的に、参議院の方が衆議院よりも慎重にゆっくりと物を見るようになるでしょう。
このように、衆議院と参議院は、制度の違いがあるので、違った動きをすることになり、2つに分かれているのには、ちゃんとした意味があるのです。
もし、日本が一院制にでもなれば、法案などがバンバン通ることになり、ストッパーがいないので恐ろしいものになります。
衆議院議員、参議院議員のともに、皆さんの選挙で決まっている代表になりますので、皆さんは選挙に行きましょう。
多くの人が、自分で考えて選挙に行くことによって、日本がより良い国になるのですよ。